前回、[EasyLanguage]例題でわかる!システムトレードのオブジェクト型記述に慣れようでは、マネックス証券のマニュアルの「例題1」を解説しました。
私が順に例題を解いていくなかで、つまずいたところを解説していきたいと思います。
今回は、「例題3」を解説します。さらにEasyLanguageに慣れていきましょう。
「例題3」は、「レーダースクリーンで複数銘柄に対してインジケーターを実行する」のが目的となっています。
複数の銘柄コードとの相関関係を知るにはどうしたら良いかというのが、この例題からわかります。
(相関関係とは、ある銘柄が値上がりしたときに他の銘柄がどういった変化をするかという関係のことです)
それでは、見ていきましょう。
マニュアルがない方は、以下より入手してください。


目次
プログラムを書いてみよう
それでは早速、プログラムを書いてみましょう。
今回のポイントは以下です。
- PriceSeriesProviderで銘柄をInputにより設定する
- 日経平均株価などの指標にも銘柄コードがあるのを理解する
- レーダースクリーンにインジケーターを挿入する
- レーダースクリーンに表示されている足種が何かを確認する
今回の例題を解けば、これらがわかるようになります。では、見ていきましょう。
前回と同様に、左の方にあるツールボックスから、PriceSeriesProviderをダブルクリックしてください。
また、プロパティの設定も前回と同じように、設定してください。


ここでも、「Load」を「True」とするのを忘れないでください。
ここからが、今回の例題でのひとつ目のポイントで、
「PriceSeriesProvide1に設定する銘柄名をプログラム内で記述しよう」というものです。
まずは、プロパティの「Symbol」の欄に「’$MNK’」と入れてください。
このとき、引用符(‘)も含めて入れてください。

この’$MNK’というのが、「日経平均株価」のことなのです。
このような指標にも銘柄コードが与えられています。
なので、TOPIXなら”$0000-TS”とか、いろんな指標が、銘柄コードとして入っています。
「Symbol」の欄に「”$MNK”」と入れることができたら、ツールバーにある入力ボタンをクリックしてください。
そうすると、プログラムを書くところに、
Input: string iSymbol1( “$MNK” );
と自動で書かれると思います。
これで、EasyLanguageを開かなくても、レーダースクリーン上で変更できる記述になりました。


もしも、このようなことをせずに、プロパティに’$MNK’と書いただけならどうなるでしょうか?
その答えとしては、特に問題ありません。
ただし、上で書いたように、レーダースクリーンにて変更することができなくなるので、不便となります。
以下のコードのように、例題にならってEasyLanguageを記述してみましょう。
「SymRowPerf」は表示している株価の20日前と今との変化率
「BenchPerf」は日経平均株価の20日前と今との変化率
「RelPerf」は上2つの差分
を表しています。
レーダースクリーン上に表示するとき(Plot文の中身)は、100倍しているので%で出しています。
Input: string iSymbol1( "$MNK" );
Input: int LookBack(20);
Vars: SymRowPerf( 0 ), BenchPerf( 0 ), RelPerf(0);
SymRowPerf = PercentChange(Close,LookBack);
BenchPerf = PercentChange(PriceSeriesProvide1.Close,LookBack);
Relperf = (SymRowPerf-BenchPerf);
plot1(RelPerf * 100,"Rel Perf");
plot2(SymRowPerf * 100,"Sym Perf");
plot3(BenchPerf * 100,"Bench Perf");

$MNKをレーダースクリーンに反映しよう
インジケーターが完成したら、まずは今回の指標である「$MNK」を、レーダースクリーンに反映してみましょう。
「$MNK」とは「日経平均株価」のことでしたね。
前回と異なり、チャート分析に反映するのではない点に注意してください。
以下の画像のように、見やすくするために、「レーダースクリーン」ウィンドウを最大化しましょう。

左の方の列番号があるところで、右クリックをして、「銘柄コードの挿入」をクリックしてください。
どの列番号でも構いません。初期設定の場合、結局一番上に挿入されると思います。

「銘柄コードを挿入」ウィンドウが開くので、「検索」をクリックしてください。

「銘柄検索」ウィンドウが表示されます。以下の画像のように、「指数」タブをクリックして、「すべてのインデックス」を選択します。その後、「検索」をクリックしてください。
下の欄に一覧が表示されます。表示されたままでは、順番が分かりづらいので、「銘柄コード」を1回クリックしてください。そうすれば、一覧が昇順に並び変わります。
「$NNK」を探して、選択して、「OK」をクリックしてください。

「銘柄コード」の欄に「$MNK」が挿入されているのを確認して、「挿入」をクリックしてください。

これで、日経平均株価($MNK)がレーダースクリーンに反映されました。

インジケーターを反映しよう
いよいよ、作成したインジケーターを反映してみましょう。
「レーダースクリーン」ウィンドウ上で、右クリックをして、「分析テクニックを挿入」をクリックしてください。

「分析テクニックを挿入」ウィンドウが開くので、以下の画像のように、「分析タイプを選択」で「インジケーター」を選びます。
そして、作成した「#03_RelStrengthRS」(名前は、任意です。皆さんがつけた名前を選んでください)を選択します。
選択したら、「追加」をクリックすると、右側にインジケーターが追加されます。最後に、「OK」をクリックしてください。

無事、インジケーターが挿入されました。
ですが、数字の値がおかしいことに気がついたでしょうか。
「RelPerf」は、日経平均株価との変化率を表しています。したがって、日経平均株価のRelPerfは、”ゼロ”にならないとおかしいはずです。
ですが、下の画像では”-4.5″となっています。
これは、レーダースクリーンに表示されている株価の足種が日足となっていないからです。

そうとわかれば、足種を変更しましょう。
「設定」タブから、「銘柄コード」を選び、「すべての銘柄コード」を、クリックします。

「銘柄コードの設定」ウィンドウが出るので、足種を「日」に変更してください。

予想していた通り、日経平均株価の「RelPerf」がゼロとなりました。

さいごに
マネックス証券のマニュアルの例題3の解説をしました。
日経平均株価が上がったときは上がったり、下がったときは下がったりなど、日経平均株価との関係性がわかる指標でした。
これをいろいろと応用して、自分だけの必勝の指標を探してみるのも面白いでしょう。
日経平均株価と比較をしましたが、なにも日経平均株価だけでなく、なにかの銘柄でも良いわけです。
例えば、同じ自動車メーカーのトヨタとホンダを比べてみたり、はたまた全く異なる分野のものを比較してみたりと、いろいろと遊べそうですね。
次回は、この例題と似た例題をやってみます。ですが、少し細かいところまで言及しますので、参考にしてみてください。
